あさはらたそかれ
アニメイトで平置きにされている新刊コーナーで見つけた「あさはらたそかれ」
ヨネダコウ推薦と帯にでかでかと書いてあり、思わず手に取ってしまった。
ヨネダコウといえば「どうしても触れたくない」をはじめ「囀る鳥は羽ばたかない」などのヒット作を描くBL漫画家。
その「どうしても触れたくない」で号泣した私。ヨネダコウ先生が推薦するなら間違いねえな…とそのままレジへ。
帯に書いてある通り、高校球児×夜型社会人という年下攻めの年上受け。
ハァ〜王道ですわと思いつつも、高校球児という文字に興奮を隠せない。
普段はサッカー派の私だが、夏の甲子園を見ては「おおきく振りかぶって」を思い出して甲子園の土になりたいと願っていたくらいに高校球児が好き。(野球は大してわからない)
坊主頭から滴る汗、安産型だなと思わずにはいられないずっしりしたケツ、そして見た目に反してまだまだ中身は幼くて勝つためには彼女なんて作ってる場合じゃねえ!オナ禁だ!なんて口走ってしまうところなんてもう愛おしくて仕方ない。
そんな高校球児が、昼夜逆転生活を送る不健康な大人と出会う。
なんの接点もない2人が出会うことから始まるこの話。
そんな…昼夜逆転生活してる奴と健康体の高校球児が出会う場なんてねえよと思ってしまったが、2人は朝のランニングで出会うのだ。
先に言ってしまうと出会って秒でやるようなBLファンタジーみたいな展開はない。
じわじわと距離を詰めていくから、もどかしくてもどかしくて握りしめた手に爪の痕がついた。私の爪が長いからだ。
高校球児という存在を崇高なもののように感じてしまいがちだが、彼らはそのへんの男子高校生となんら変わらない。下ネタが大好きで覚えたての下ネタを言わずにはいられないし、彼女ができればみんなに体験談を話して勇者になる。この「あさはらたそかれ」の高校球児・純一郎もその1人。
高校球児の話なのに野球で例えられなくて申し訳ないけど、サッカーで例えるなら岡崎慎司並みの泥臭さと内田篤人並みのクールさを兼ね備えている純一郎といると、大人になることで少しひねくれてしまった夜型社会人・澄山は照れ臭くて胸がむずむずしてしまう。
こんな高校球児と付き合えたら最高だ…。むしろ産みたい。
読んだ後にほっこりするどころか、幸せってこのことか〜〜〜〜!!!ってなるくらいのハッピーエンド。
ハッピーエンド大好きマンにはたまらない。
高校球児に反応しちゃったお姉さんはぜひ読んでほしい。